サブスクリプション住宅の普及によって、旅と居住の境界が曖昧になりました。それでも短期間に移動して見聞を広める旅の人気は衰えません。良い旅とは誰もが持つ変身願望をかなえること、すなわち人生を変えるインパクトが必要だと思います。意図的な刷り込みや雑音に満たされる社会にあって、本当の自分がどんな存在かを見つけることは難しくなっています。唯一旅は、それを実現してくれる気がします。安曇野では鶏やアヒルたちと北アルプスを望む畑に行き、朝の収穫をします。無心に虫や微生物、菜っ葉をつつく鶏たちを見ていると癒され、ここで感じる幸せこそが本心だと分かります。動物たちと触れ合い、自分の手で育てた野菜を食べ、山々に囲まれた田園地帯で働き、自分の好きなことに時間を使うこと以上に贅沢な暮らしがあるとも思えません。贅沢を取り違えた都市から人が離れて行くのは、自然な流れに見えます。