1973年に青山に開店以来50年に及ぶ歴史を持つアンナミラーズが今年8月の高輪店の閉店をもって実店舗がなくなります。品川駅西口の再開発に伴う撤退とは言え、首都圏を中心に20数店舗を構えたアメリカンパイを提供するレストランチェーン店の消滅は、華やかだった1980年代が終わったことを印象づけます。80年代がオールディーズと呼ばれる時代ですから無理もありませんが、マクドナルドやデニーズといった華やかな飲食文化の黎明期の一角が消える寂しさがあります。民事再生法適用を申請したフーターズ同様にコンセプトが明確ゆえに、料理や店舗づくりの基軸から離れることができず、低価格飲食店チェーンの台頭による価格破壊の影響から逃れることができなかったのでしょう。栄枯盛衰が定めの飲食業界にあって半世紀の歴史を築くこと自体が稀有ですが、外食業の本質とも言えるそのコンセプトは次の事業者に引き継がれていくのでしょう。