朝日新聞論説委員だった稲垣えみ子氏の「寂しい生活」を読みました。原発事故を契機に冷蔵庫、洗濯機などの家電を手放しほぼ電気を使わない生活に切り替えたと言います。断捨離の結果会社まで辞めてしまい、高級マンションから築50年のワンルームマンションに転居し、カセットコンロでご飯を炊き2日に一度の銭湯が最大の娯楽という生活には潔さを感じます。今やベストセラー作家であることを考えると、寂しい生活は一部のパラノイアだけのものではないのでしょう。エネルギー価格が上昇し政府は節電を呼びかけますが、電気を使わないという発想は新鮮です。ほぼヴィーガンとなった我が家で要冷蔵の食材は納豆、豆腐、味噌ぐらいですから冷蔵庫なしの生活も無理ではなさそうです。何かを手放すほど自由に近づき、不安もストレスも消えていきます。究極までそぎ落とす生活が魅力的なのは、稼ぐほどに執着が増え、モノが増えても幸福度は高まらず、便利になってもいつも時間が足りない原因が、物質主義的な世界観にあることに気づき始めたからでしょう。