想定外という新たな可能性

昨年末から解体工事を始めた甲子高原フジヤホテルを見に行きました。再建の目処が立ったわけではありませんが、補助金を受ける場合は積雪で工事ができない期間も含めて1年以内の事業期間が求められることから見切り発車することにしました。皆が補助金をあてにするようになれば社会に依存が生じます。「使わなければ損」的な発想は決算期が近づき税金を1円でも下げたいから経費を使うのと似て後ろ向きの発想です。他方で、補助金があるからこそ思い切った挑戦ができることは大切でしょう。イノベーションには2つのパターンがあって、セーフティネットがあるから起こすものと、本当に切羽詰まって火事場の馬鹿力により生じるものがあると考えられます。イタリアと並び起業比率が低いとされる日本では、多くのサラリーマンが給料をセーフティネットではなく、特権的に保障された身分の安定と捉えるのかもしれません。旅館を買った5、6年前にはこんなに早く解体する日が来るとは思いませんでしたが、想定外という新たな可能性を楽しむことがイノベーションの孵化器になるのでしょう。

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