産業化より伝統文化

ランニングをする人にとっての神学論争は足のどこから着地するかです。長年のプロパガンダによって一般人はかかと着地以外の選択肢を考えませんが、メキシコ北西部の山岳に暮らす走る民族タラウマラ(ララムリ)が、世界的ベストセラーになった「BORN TO RUN–走るために生まれた」で紹介された頃からつま先着地のフォアフット走法が注目されるようになりました。ゴムタイヤと革紐のワラーチか裸足で走る彼らは、レジャーや競技のためではなく生きるために走り、それは人間本来の走り方に近いと考えられます。長年信じられてきたかかと着地のヒールストライク走法を分析的に見ると、実はあまりメリットがありません。一方接地時間が短かく、筋肉への負担が和らぐフォアフットは効率的なだけではなく、拇指球、小指球、踵の3点を結ぶアーチが足にかかる衝撃を吸収し膝や腰の故障を回避します。さらにふくらはぎのポンプ機能が働きやすく血行も改善します。日本の草履もフォアフットに適した構造ですが、産業化がもたらす生活変化よりも伝統文化に学ぶべきことは多いと思います。

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