晴天に恵まれた三連休は3日とも山に入りました。本格的な冬山装備のつわ者とすれ違い、自分のようにおもちゃのようなチェーンスパイクで来る人などいません。山ではどんなことが起きても自力で下山するセルフレスキューが前提ですので軽装備でも体調と天候には細心の注意を払います。身軽な装備で山に入るメリットは荷物の重さを気にせず自然と一体化できることだと思います。美しい樹林帯をただ歩くだけで自分が完全な存在に思えます。欲望も執着も消えていくのは自然のリズムと人体がシンクロするからでしょう。一方で、数千年の歴史のある都市は未だに人体との相性が悪く、経済価値を生むための商業空間は人を決して満たしません。欠乏を埋めるための欲望が次々と沸き起こり、永遠にお金を使い続けるライフスタイルは生活習慣病という次の金脈を生み出します。稼いでは使う巨大な罠にはまると、大切でないものを手に入れるために大切なものを失います。薪ストーブの火を眺めながら煮込み料理をしていると、贅沢や洗練とは無縁の不自由な生活に満ち足りた時を感じます。