語るべき歴史

ラブラドールとの散歩道にあったお地蔵様が撤去され、共同住宅が建ちました。毎朝手入れする人を見かけ、現代の住宅地にあって生きた民間信仰に触れる貴重な一角でした。疫病などから地域を守る神仏への信仰が広がったのは平安時代とされますが、家庭から仏壇や神棚が消え、祈りの機会は限られます。どの土地にも語るべき歴史がありますが、一度失われた歴史の証人を取り戻すことはできません。自宅から1kmほど離れた場所に戦時中にB29が墜落した場所があります。最初にこの史実を知ったのは、娘の通っていた中学校の廊下に人知れず展示されていたB29のジェラルミン製の小さな金属片を見つけたときです。昭和20年5月24日未明、第二次大戦中の単一作戦としては最大となる558機のB29が東京市街地空襲中に高射砲により撃墜されたもので、この日の損失17機の1機です。1584年(天正12年)に創建された西福寺のすぐ南の畑に胴体が落ち、漏れ出した油で何年も井戸が使えなかったと言います。乗員のうち助かった4人は戦後帰国し7人の戦死者の遺骨は多磨霊園に安置されました。平和な社会に生かされている意味を考えさせられます。

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