結局は今しかない

カブール国際空港の絶望的な光景は直視できません。一定年代以上は自分も含めサイゴン陥落を思い出しますが、戦後分割されることもなく、海という天然の要害に守られる日本の幸せを感じずにはいられません。46年前、南ベトナム大統領官邸に突入した最初の2台の戦車の1台である、ソ連製T54Bをハノイで見たとき以上にリアルな衝撃を受けます。一日の終わりに何事もなく床につき、再び朝を無事に迎えられる幸せに、このときばかりは感謝します。人間の最も愚かな資質は欲と執着に翻弄され自制なく心を暴走させることです。これに思考停止が加わり、脚色された二次情報と大本営発表を軽信し右往左往する社会を見ると絶望的になりますが、その感情がすでに執着でしょう。本質や真実を知りたいという欲求が無意味な執着なら、幸せになりたいという欲求も無駄に執着を生み、虚無を彷徨う人間がすべきことは、意識が鮮明な今を生きること以外になさそうです。世界情勢に無関心で良いわけでも、今さえ楽しければ良いわけでもありませんが、雑音を消す以外に自身が何かを知ることはできないのでしょう。

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