日本を代表する経営者を一人選ぶならトヨタ自動車三代目にして52歳で社長に就任した豊田章男氏でしょう。社長就任時はリーマンショックで71年ぶりの営業赤字に転落し2010年の世界規模のリコール問題、翌年の東日本大震災とタイ洪水被害、歴史的な円高などで危機的状況にあったトヨタを2013年度には世界販売台数1,000万台超えで業績をV字回復させました。その非凡さは経営手腕だけでなく、日本のボイコットにより出場できなかったモスクワオリンピックではフィールドホッケー選手として日本代表に選出された文武両道にあります。活躍する経営者にトップアスリートが多いのは、直感的な判断と瞬発力が培われるからだと思います。レーシングドライバーとして運転技術に精通しテストドライバーとして開発に関わる異色の存在です。印象深いのは、自分の身体のセンサーとしての感度を維持するために普段乗る車はNVHを伝えない高級車ではなくコンパクトカーと言う点です。身体感覚を基準に車を評価する姿勢が世界最大の自動車会社になれた理由の一つだと思います。戻るべきデフォルトを決め、空腹を基準に食欲を考え、過不足ない生活を基準に金銭欲を考えるなら、欲と執着に振り回されることなく自分らしい等身大の生活を送れるのでしょう。