話題の書、「LIFESPAN老いなき世界」を読みました。衝撃作とされる理由は、老化は病気であり治療できる、死が必然であることを示す証拠は何もなく生命は永遠に存続する可能性がある、と結論づけたことです。著者がハーバード大学医学部教授で老化生物学センターのディレクターでなければベストセラーにはならなかったでしょう。しかし老いないために導かれた結論は、食べる量と回数を減らす、間欠的絶食を行う、運動をする、動物性タンパク質を避けるなど目新しさはありません。食べることでわれわれは本能的な欲求を解放してきたので、無理と感じる人が多いでしょう。これまでのアンチエイジングは老化スピードを遅らせる目的でしたが、生命に終わりが訪れないなら話は違ってきます。1カ月生きるごとに寿命が1週間伸びると言われるのは、長く生きるほどまだ予見できない画期的な医学進歩の恩恵を受ける確率が上がるからです。人生は一度限りだから楽しまなくてはと考える人も、生命が終わらない方法を手にする可能性があるのなら生活習慣を見直すかもしれません。