元の生活に戻れないシステム

カリフォルニア州で2035年までに州内で販売される全ての新車のゼロエミッション化を義務づけることが先週発表されました。2040年頃を目処に各国が規制を行うことがアナウンスされ、先の話だと思っていましたが、内燃焼機関の車に乗れない時代は目前です。ノルウェーでは2025年にすべてのガソリン車・ディーゼル車の新車販売を前倒しで禁止すると発表され、自動車と青春が同義語だった世代としては寂しくもあります。必要のための車ではなく欲望のために車を作るGM流の計画的陳腐化の時代もいずれ終焉に向かうでしょう。供給側に押し付けられた欲望は一時的な高揚感しかなく消費者は永遠に満足することはありません。欲望は常に相対的な価値に影響され、ミニバンやSUVといった多様なニーズは供給論理が作り出した虚構です。資本主義の行き着いた過剰消費社会では、人々は永遠に欲し続け、どんなに働いても満たされない呪いをかけられます。古い車に心を奪われる懐古趣味は、その時代に切実な渇望があったからだと思います。資本の自己増殖をエンジンとする経済の拡大は、欲望により人々を支配し元の生活に戻れないシステムだったのでしょう。

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