五感を奪う都市

東京の熱中症による死者が8月に入り100人を超え酷暑が続きます。屋外は暑すぎ、一方で屋内は寒すぎる都市は不健康を助長します。ヒートアイランド化した都会の暮らしは、単一の感覚器を使う生理的な快適さが求められ、風鈴を吊るしそこに爽やかな風がそよぐといった風情が入り込む余地はありません。今年の夏はクーラーではなく扇風機を使いましたが、寒すぎるよりは多少汗ばむくらいが感覚的には快適です。「自然から遠ざかるほど人は病気に近づく」と述べたのはヒポクラテスですが、冷房の使用を最小限にして自然に近い暮らしをすることは東京でも可能だと思います。熱中症で死亡する80%が65歳以上とされ、体の冷えを嫌い冷房使用頻度が少ないこと、老化に伴い皮膚の温度センサーの感度が鈍くなることが原因とされます。何事も都合よく老化を理由にする風潮がありますが、人間は使用しない機能を退化させますので、本当の理由は長年の不自然な暮らしだと思います。人間は自然の一部であり、歳を重ねても五感の注意力を鋭敏に保つことは可能だと思います。

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