ゴールの清々しさ

トレイルレースから3日が過ぎても痛めた腰と下半身の筋肉痛は引きません。ゴールした後に足を引きずる選手もいて満身創痍といった状況で過酷なレースが身体に良いはずがありません。お気軽で安楽なレジャーが幅を利かせる現代にあって、プロでもない多くの選手が自らを困難に追い込む心理は当事者ながら理解し難いところがあります。2時間早くスタートした140kmのトップ選手は、すでに30kmをあとにしたとは思えないスピードで山道を駆け下りて来ます。まだゴールまで110km以上の距離を残しているとは思えない速さで走り抜け、その半分の距離でも断念した自分との違いを見せつけられます。それでもトレイルランニングは高齢化する日本に適したスポーツだと思います。世界最高峰のレースUTMBでマルコ・オルモが優勝したのは還暦間際の59歳で、しかも2年連続優勝という快挙です。全盛期にあった日本のトップランナーの鏑木毅氏に3時間の差をつけたイタリアの英雄がトレイルランニング始めたのは40歳と言います。丸一日以上走り続けるエンデュランス系レースでは、燃費の悪い解糖系エネルギー産生より、脂肪を燃焼してエネルギーに変える方が有利で、更年期を過ぎた中高年の体に適したスポーツと言えます。ゴールシーンがいつも清々しいのは、老若男女を問わずスポーツに挑戦するとき、人が一番輝くからだと思います。

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