フローに至る死の危険

終戦日に向けて戦争ドキュメンタリーが放送される8月は、一年で最も死について考える月だと思います。二度の原爆投下による市民の殺戮とソ連の参戦、そして最悪の航空機事故で多くの人がむごい形で人生を終わらされたのも34年前の昨日です。当たり前のように朝が来て、大半の人が平和な死を迎える現代に、毎年3万人が自らの生命を絶たなくてはならない皮肉を考えます。生きる時間を制限する死は同時に人生に意味を与え、真剣に生を考え丁寧に生きるきっかけになると思います。先日、山での事故で身近な人の訃報に接しました。山は常に死と隣り合わせという点で他のレジャーと異質です。一見平和に見えるのどかな稜線も、一瞬の判断ミスや不注意で滑落をすれば助からないところばかりです。先日行った南アルプスの荒川三山手前のカール大斜面は岩が大崩壊地側に崩れたことで、標高差600mのナイフリッジとなり、どちら側に落ちても助からない危険地帯でした。エクストリームスポーツのアスリートがフローに入りやすいのは、死の危険が集中力を高めるからに他ならないと思います。

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