都市は与件ではない

短期間ながら福島に住んだことで生まれ育った東京を当事者ではない新たな視点から見るようになりました。表参道や青山に行きますが、マイバッハやフェラーリが生息し、マクドナルドのランチをウーバーイーツがピックアップする光景が昔なら好ましく見えたかもしれません。今は足早に歩く人の物憂げな表情に目が行きます。きっと自分もうつろで憂鬱な表情をしているはずです。自然のなかにいる時、人は晴れやかで穏やかな表情になりますが、それは単に週末だからということだけではないと思います。ニュージーランドで10ヶ月を過ごした高校生の娘は日本に定住する気はないといいます。自分の世代には日本まで捨てる勇気はありませんが、疲れるだけの東京に未練はありません。都市からお金と多くの便宜を得る人が世界の人口の半数を超え、いつしか都市は生きる与件としてわれわれの人生を支配するようになったと思います。

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