おもてなしの傲慢さ

昔はホテルやレストランが好きで、散財した時代もありましたが、自分が旅館を買うだいぶ前からその熱が冷めました。高級リゾートのスパでマッサージを受ける至福と、400円の共同浴場の湯舟に身を沈めたときの幸福感は同じだと思います。高級レストランのフルコースと、空腹時に食べるご飯とみそ汁が等価値であることに消費者が気づかないことこそ産業が正当化される唯一の理由です。誰もがお互い様ですから仔細に目をつぶり合うことで経済が成り立っています。東京オリンピックを勝ち取ったプレゼンテーションで、「おもてなし」が有名になったとき、無性に腹が立ったのは、不都合なことは横に置いて声高にホスピタリティを誇張する産業界の傲慢さと重なって見えたからです。価値がないものに価値をつけるのが企業活動ですから、文句を言うこと自体見当外れなのかもしれませんけど。

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