幸福は消し去るべきもの?

人生のなかで幸せを感じた時を考えるのですが、思い出せません。娘が生まれたときや、山の上で夕日を見たときなど、何かに心が震える瞬間はあっても、感情の高ぶりは幸せとは直接結び付きません。幸せは思い出のなかではなく今ここで感じて、消し去るべきものだと思います。多くの人が幸せだと思っているものの大半は皮肉なことに不幸とセットです。マスメディアや企業のプロモーションは、ステレオタイプの幸せ像を生み出します。幸せがいつまでも続いてほしいと人は願い、同時に失う恐怖を作り出します。そして抗うようにより多くの幸せを得ようと執着を増やします。産業界がパッケージ化した幸福というイメージ戦略が成功するほど、幸せは遠ざかると思います。幸せはごく身近にあるささいな自己充足の総称であり、それに気づける感受性こそが重要でしょう。意識をすること自体がストレスになり、自然体でいることが幸せに近づく道だと思うのです。

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