
自然のなかで感じるラグジュアリーに勝るものはない気がします。夕暮れ時、家の前のデッキにテーブルを出し、小さなキャンドルに火を灯けて静かなピアノの音楽を流すと、森から聞こえる鳥の声と溶け合い、流れる雲が夕日に染まるのを眺めるだけで、心が満たされます。やがて自分の輪郭が薄れていき、ある種の浮遊感を感じます。豊かさとは、高価なものを所有したり、高額な体験をすることばかりではなく、自分の感性が十分に満たされる時間を持つことかもしれません。自然の中で過ごす時間が増えると、贅沢の基準は変わります。星の数や価格では測れない豊かさがあり、それは、目の前の風景や風の音、鳥の声を、ただ素直に受け取る感受性なのかもしれません。人間社会につきものの欲望や不安、自己主張が静かになります。人が本来の状態に戻るとき、そこには内面から湧き上がる豊かさがあるような気がします。