
パセリを家に迎える以前のことですが、大阪に出張したとき書店でふと手にした「盲導犬クィールの一生」という本を買いました。夜ホテルで読み始めるとなぜか涙が止まらなくなりました。そのことを思い出した時、パセリを失った痛みが人との別れ以上に辛い理由が分かった気がします。犬との間には、競争も、裏切りも、金銭欲もなく、そこに理想的な関係性を感じたのだと思います。パセリを迎えた頃の自分は、人間社会の複雑さや醜さに疲れていた時期です。偶然やってきたパセリは理想の関係を体現し、誠実さと献身を示してくれました。パセリはいい子ですから、どの家庭に行っても誠実に家族を愛し、誰かを幸せにしたはずです。人は愛情を、私をどれだけ愛してくれるかで測ろうとします。しかし、悲しみの大きさはどれだけ自分を愛してくれたかではなく、自分の人生の中でどれほど大きな意味を持っていたかだと思うのです。