消費なき充足


お盆を過ぎると、山では足早に秋がやってきます。一方、全国の都市部では相変わらずの灼熱地獄が続きます。人々が今の季節、週末に自然を目指すのは、単に避暑や清涼感を求めてだけではないと思います。人口密集やヒートアイランド現象など、都市の問題が露見する時期ゆえに、外部刺激から逃れることのできない都市生活のデトックスを、本能が求めているからかもしれません。都会的な暮らしとは、金を稼ぎ消費することが目的化し、自分と向き合うことなしに、社会的コンセンサスとしての幸せを追い求めるために最適化された環境です。いくら言葉を飾ったとしても、世間で言われる「本当の幸せ」とは経済原則に取り込まれ、快楽の鎖につながれたままです。片足を大量消費に突っ込みながら、自然のなかで感じる消費なき充足こそが、もっとも尊いと気づいたとしても、都市が放つ眩い刺激から自由になることは容易ではなさそうです。

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