美を追求することは強さの源


予定のない週末は、日が昇りきらないうちに近所の公園でラブラドルと遊び、築地本願寺和田堀廟所に墓参をします。毎朝7時から始まるおつとめに出て読経を聞き、自分でも声を出すことは健康的な朝の習慣に思えます。敷地を歩くとひときわ目立つのが、大正時代の歌人で大正三美人と称された九条武子の墓です。自然石の墓石は、ロンドン在住の夫と十数年別離し、42歳で没した風流人にふさわしく感じます。季節とともに移ろう自然こそが、自身の心の内を映し出す鏡であり、美意識の源泉だったのかもしれません。美意識とは物事の本質的な美しさを見出す感性であり、世俗的な価値観や俗世間から超越した精神的な豊かさに根付くものでしょう。美を追求することは、生きることそのものであり、風流とは、決して現実からの逃避ではなく、世俗的な苦しみと向き合うための強さの源のような気がします。

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