文豪を唸らせたホテル

神田駿河台にある山の上ホテルを、隣接する明治大学が買収しました。明大の学生やOBにとって最も親しみのあるホテルであり、すでに別館の土地を購入した経緯からも自然な成り行きです。米国の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)設計のアールデコ様式の洋館は、1937年に建てられGHQ接収を経て1954年にホテルとして開業しました。出版社が多い神田神保町に近いことから、作家の滞在やカンヅメに使われ、川端康成、三島由紀夫、池波正太郎が滞在したことでも知られます。昭和を代表するクラッシックホテルが全国的に姿を消すなか、日本人の憧れであったホテルの雰囲気を残す本館が継承されることは朗報です。本館の客室は35と少なく、文豪を唸らせた8つの料飲施設を直営するホテルの経営は難しく、一定の宿泊や飲食需要があり、財務基盤の厚い大学こそがふさわしいのでしょう。
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