Netflix映画「ハンガー:飽くなき食への道」を見ました。タイの高級ケータリングサービスを成功させたスターシェフと、望むことなく家業の庶民食堂で料理をする主人公を通して、食べる行為の背景にある飢えについて掘り下げた作品です。セレブご用達のスターシェフが、抑圧された幼少期への復讐のために料理をするのに対して、食堂で働く人生から抜け出したいと願っていた主人公は、やがて家族への愛こそが料理の本質だと気づきます。愛のこもった料理など貧乏人の言い訳、と切り捨てたスターシェフもやがて没落を始め、主人公も華々しい世界から大衆食堂へと戻る展開にはどこか安心できます。タイの格差社会を背景に展開する迫真のドラマが伝えたかったのは、貧しいものは飢えを満たすために食べるが、カネに余裕ができても飢えは止まらない、というスターシェフの言葉なのでしょう。