2013年9月に東京大会が決定されたときの熱狂と、そのあとのインバウンドバブルが吹き荒れる原因となったオリンピック開催まで10日となりました。東日本大震災からの復興という当初のビジョンが、今は地球規模の疫病からの再生に変わり、一年前は対岸の火事だったロンドンが代替開催地を名乗り出たことなど遠い昔のように感じます。スポーツが人々を引きつけるのはそこに人間の可能性を見るからだと思います。長年スポーツをしなかった自分がオリンピックより心待ちにするのが、今年の夏開催されるトランスジャパンアルプスレース(TJAR)です。海抜0メートルの富山湾から標高3,000m超の3つの日本アルプスを抜け駿河湾までの415kmを走る世界屈指のエンデュランスレースは、2002年に4人で始まった年の完走率25%に対し、30人が参加した2018年には90%と人間のパフォーマンスは大幅に向上しその可能性の限界を完全に書き換えています。エクストリームスポーツの世界で人類史に前例がないほど短期間でパフォーマンスの急激な向上が起きた理由は、時代が今この瞬間を生きることを求めているからでしょう。