人は常に幸せを求めようとしますがそれは皮肉にも不幸の始まりだと思います。現状に満足するなら欲求は消え、欲はいつも現状への不満の裏返しです。一度欲望が目覚めるとそれが実現しなければ不幸に感じ、実現してもすぐに慣れてしまいさほど幸福は感じられなくなります。執着はいつも未来がこうであれば幸せという仮定を伴い、その結果いつも欠乏感を抱え、次々次と欲望を実現したい執着にとらわれます。そして執着はいつも自分の外部で生じることから虚構と実在の区別がつかなくなります。他方でほとんど欲求を持たないで生活することにも問題があると思います。無批判なマインドフルネスブームは一段落しましたが、今改めてその功罪が問われています。脳がぼんやりとあれこれ考える神経活動であるDMN(Default Mode Network)は脳疲労を蓄積しますが、他方で雑念を消すことに注力し過ぎると創造性や活力を奪われる弊害が生じます。結局何事も程ほどが肝心で禁欲主義も快楽主義も偽りで中庸の道が幸福の鍵なのでしょう。