感情をかき立てる戦跡と市場

昨日は那覇にある旧海軍砲台跡を見ました。国内で戦時中の砲台が完全に近い形で残るのは極めてまれですが、自衛隊那覇基地内にあることから自由に見ることはできません。旧海軍小禄飛行場に昭和18年に設置された15cm砲台6基のうち唯一破壊を免れたもので、昭和20年4月上旬の沖縄戦に際して米海軍軽巡洋艦1隻を撃沈しているとされます。自衛隊の人によるとこの砲台だけが米艦船からの砲撃を免れていることから稼働していなかった可能性もあるそうです。博物館の展示品とは異なり、廃墟に心を揺さぶられるのは朽ち行くところにある種の生命を感じるからなのかもしれません。その点で場末の商店街や古い市場にも同様の生命の感覚が宿ると思います。東南アジアのような雑踏と亜熱帯の個性的な食材が並ぶ第一牧志公設市場は2022年に開業するときはエキゾティックさを失いスーパーのようなつまらない店舗になることでしょう。昭和の風情と言うよりは戦後のどさくさといった感じの商店街や市場と戦跡だけが、生命の息吹をリアルに伝え感情をかき立てる場所に思えます。

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