味覚は価格で定義される

三密回避で試食もできない今年のバレンタインチョコ商戦は盛り上がりに欠ける印象です。一年分の多くをこの時期に売る業界にとって痛手でしょう。バレンタインシーズンの輸入チョコレートは大量輸送のために冷凍され、口溶けの滑らかさが悪いとされます。その違いを見出すことはできませんし、意味があるとも思いませんが、あらゆる食品のなかでチョコレートほど味と価格の差にアンバランスを感じるものはないと思います。業務スーパーが売る200g300円ほどの輸入トリフチョコレートとその10倍の値段で売られる高級ブランドチョコは味の違いは分かっても10倍の価格差を正当化する理由を見出すことができません。われわれは意識することなく美味しいという言葉を発しますが、感覚器官への刺激により肉体は感覚情報を自覚し、経験により形成された認知プロセスを通じて感覚情報を意味づけ日々評価判断を行っています。インプットにより意識と認識が生まれるだけでそこに存在するものは物質ではなく外部刺激に真実はないとも言えます。ドットの集合体に過ぎないデジタル画像を見た脳は神経伝達物質の分泌により楽しいとか、悲しいといった感情を持つのも同じで、結局のところ味覚は価格で定義されるだけなのかもしれません。

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