五感を通した対話


昨日は大月で授業の前に九鬼山(970m)に登りました。日の出前の森では、ひんやりとした空気が肌に触れ、ヒグラシが一斉に鳴き始め、漆黒の森がその姿を見せ始めます。五感の刺激を受けて感覚が鋭敏化する時間帯こそ、今この瞬間に集中できます。駐車場から50分弱で登れる里山の割に自然が豊かで、昨日も森へと去る熊かイノシシの姿を見ました。鹿が多い山域ですが、先月も山頂付近で熊を見ました。熊との遭遇を避けるために聴覚の感受性が最大限に高まり、突然目の前で鹿が藪をかき分ける音がして、全身が一気に緊張します。感覚に集中する没入感は、早朝の森でのみ感じる充足感であり、それは幸福感の源泉だと思います。一人でいることはむしろ自由と充満をもたらし、他者や社会から切り離された、自分との対話の時間になります。鋭敏になった五感を通して自己と対話する習慣を、毎朝持てる暮らしが理想です。

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