


サウナ界の王と崇められるスモークサウナは常に気になる存在です。ストーブや煙突が発明される以前の原始的な浴室が、キング・オブ・サウナと呼ばれる理由は、単にノスタルジーによるものではありません。サウナブームの盛り上がりに違和感を覚えなるなか、先々週末に行った日本の伝統的な石風呂はまさにキング・オブ・サウナそのものでした。もはやサウナと呼ぶ必要さえなく、日本古来の蒸気浴こそが、ストレスと病気の蔓延する現代社会が求めているものだと思います。山口県を中心に瀬戸内海をはさんだ愛媛、大分にも分布する石風呂の歴史は平安時代にさかのぼります。しかし、人知れずひっそりと山奥に埋もれる野谷石風呂を見たとき、同様の入浴方法ははるか古代より世界中で普及してきたはずだと確信しました。火を外に出し、蓄熱した石が伝えるやさしい暖かさに触れると、今までのサウナへの妙なこだわりが無意味に思えます。