79回目の終戦記念日が過ぎましたが、戦争という邪悪な手段を用いて国境線を変更しようとする人間の愚かさに、進歩は見られません。1943年、独ソ両軍約6,000輌の戦車が戦闘に参加し、史上最大の戦車戦が行われたクルスクの地にウクライナ軍が侵攻したことは、劣勢が伝えられてきただけに最大の賭けだったはずです。不意打ちにあったロシア軍は劣勢とされ、昨年6月にモスクワへ向けて進軍したワグネルの反乱を思わせ、判官贔屓としては痛快です。終戦に向けた交換可能な交渉カードの獲得、ロシア軍の戦力分散、エネルギー確保など、ウクライナ側にとっては一石二鳥の大胆な戦略は功を奏したようです。しかし皮肉なことに、一番の効果は不協和音の聞こえていたウクライナ国内での戦意高揚でしょう。海によって国境線を守られる日本に住むことの幸せを感じずにはいられません。