アート領域の言論

成田悠輔氏の「22世紀の民主主義」を読みました。2年前の出版であり、無意識データ民主主義というアイデアに目新しさはありません。人類とは距離を置くような成田氏の普段の言動から期待すると、拍子抜けするほど主張は普通です。炎上とNGの境界発言を連発する成田氏一流の即興性や、切れ味の良さを期待するには、書籍は不適切なメディアかもしれません。高齢者の集団切腹発言など、会場を凍り付かせて空間をハックするアート領域の言論は、コンプラやポリコレに忖度したやらせが横行するバラエティ番組の寵児に押し上げました。きわどい発言をしながら人気が衰えないのは、東大主席、MITのPh.D.、スタンフォードやイエール大学の教員という肩書ばかりではなく、父親が失踪し一家が自己破産する悲惨な家庭環境、何より人間社会の内面を理解し、ジャンルを超えて言語化する表現力にあると感じます。

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