幸せのとらえ方は人それぞれですが、長年大きな誤解をしてきたと思います。稼いでは使う贅沢さに幸せを見出そうとした時期もありますが、お金で手にする豊かな時間は執着を生む悪魔の誘惑です。日本に暮らすことの特権とも言える季節の移ろいや四季を堪能できるのは山の懐に入るときで、自然のそばにいるだけで幸せです。日曜日の午後に行った八ヶ岳の湯川渓谷は1月に入り氷が白からアイスブルーに変わり、今月いっぱいはアイスクライミングが楽しめます。これから長野県に移住するというクライマーに会いましたが、仕事は何か見つけますと言います。山で過ごしている人たちはみな一様に幸せそうで、はつらつとして、どうやっても生きていけるという自信に満ちています。一方、都会で見かける老若男女は不機嫌か怯えて気が枯れたように見えます。来月に入ると今度は渓谷の反対側でロッククライミングを楽しむそうで、自然のなかで体を動かす習慣があれば、至福の時を過ごすのに必要なものは驚くほど少ないのでしょう。