少数にとっては切実

四半世紀使っていた給湯器が壊れて交換してもらいました。冬は氷点下10度を下回る地域なので凍結による破裂を防ぐための水抜き作業が必要です。以前使っていたTOTO製も今のリンナイ製も5ヶ所ほどある水抜きバルブがどうしてこうも手の届かない場所にあり器具を使わないと手の力では回せないほど固いのか不思議でしたが、水抜きをするケースは市場の数%以下でメーカーとしてはなるべく触ってほしくない配慮からこのような設計にしているそうです。数%とは言え日本中の給湯器の普及率からすると巨大マーケットであり、極端に不便を感じているこの数%はロイヤリティの高い顧客になる可能性があるのに、外付け部品を替えるかカバーを付けるだけの簡単な対応をメーカーがしないのは不思議です。統計はしばし嘘をつきますが、平均値的な発想しかできない企業の内向き思考も、失われた30年の原因でしょう。大半の人には無関係でも少数の人にとっては切実なニーズこそが強固な顧客基盤を作るはずです。業界論理に支配されて硬直した発想から抜け出せない企業が多いことは、むしろビジネスチャンスとして喜ぶべきでしょう。

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