スパイスは悪魔の誘惑

先日、妻が朝から昼食用のカレーを作っていて、普段は朝食を抜いても感じない食欲がそのときは湧き上がり、悪魔の誘惑は鍋を遠ざけるまで続きます。昔世界史の授業で香辛料を巡り人が殺し合うと聞いたとき、なぜそれほどまでにスパイスに執着するのか不思議でしたが、それは人を操る道具だからでしょう。アルコールや糖質も同様に労働者を働かせるためのインセンティブとして古来より用いられてきたとされます。厳しい自然環境を数百万年も生き延びた人類は元来ほとんど食べずに生きられるように進化してきました。現代の商業主義は、トロイの木馬と化した脳によって人を操り、物質主義、計画的陳腐化、中毒の三点セットにより自分が生きる世界は内面ではなく外界にあると信じ込ませます。物質主義者はひたすら多くを消費し生き延びることしか考えなくなり、創造性とは無縁の怠惰な人生を送ります。人が自然に強く引かれるのは、自然界に存在するものはどれも完璧なプロポーションを保つからですが、人工的なものに熱中するように脳を躾けてきたのでしょう。

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