日本の迎賓館として長年君臨してきた帝国ホテルの建て替えが報じられます。需要回復を睨んだ投資がある反面、2019年から2021年の新規供給客室数が既存市場の5割に達する京都などでは供給過多が現在進行形で進んでいます。アメニティ水準を上げ部屋数を減らすのが順当な方向ですが、筆頭株主の三井不動産が主導するなら沖縄のハレクラニが本家オアフ島の贋作とみなされるように期待は禁物かもしれません。日本の市場はホテルに対して保守的で一昨日大阪に開業したWホテルは20年以上経過しての初進出で、トレンドの到達が世界で最も遅い地域が日本だと思います。帝国ホテルの保守的な顧客は、古い価値観から自由になることを許さないでしょう。自動車産業が自動運転やレシプロエンジンの終焉という時代の荒波に飲まれるように、シェアリングエコノミーの真っ只中に放り出されるホテル業界も変革のときを迎えると思います。トヨタ自動車の豊田章男社長は1,500万頭の馬が車に変わり馬は競走馬として生き残ったと言いましたが、伝統的なホテルの一部はサラブレッドとしてこれからも生き続けるのでしょう。