自然選択がわれわれを走らせる

台風14号接近の悪天候のなか、昨日からトレイルランニングの100マイルレースが続き、FB友達も多く参戦しています。レースから1年ほど遠ざかると、苦行を自ら求める人間の習性は不思議です。アスリートの語源はギリシャ語でもがく、苦しむと言う意味に由来するようですが、持久系アスリートと苦痛は不可分です。世界的に有名な比叡山の千日回峰行のように、自らの身体を限界まで追い込み精神性を高めようとする宗教的行為に通じます。それゆえ過酷であるほど大自然のなかで味わう自己超越の瞬間は特別なものになります。人類が現代人のような効率的に走れる扁平の足を得たのは百万年前から二百万年前とされます。この頃大規模な気候変動により東アフリカの地勢は一変し、森林地帯は広い草原に変わり、祖先は食料調達のために長距離を移動し始めたと考えられます。長時間の狩りを耐え抜ける体を持つ者が生き残る自然選択は、食料を調達する必要のなくなった現代でも持久系アスリートを走らせます。高強度の耐久スポーツは距離が増えるほど筋肉が大量のマイオカインを分泌し、レジリエンスをもたらす脳内化学物質を活性化させることが分かっています。

Translate »