



雨飾山に登る前に小谷村で二軒の古民家を見ました。日本有数の豪雪地帯では雪に閉ざされる冬が長く、外部の機能や働く設備を家に取り込む必要から古民家は巨大です。一軒は小谷村が1億2,600万円をかけてレストランへ改修し、有名シェフと指定管理契約を結んだ施設で、開業直前のスキャンダルもあって2年で撤退し、今は地元企業が蕎麦などを出しています。投資額の割に、ただ広いホールは間延びし、古い家のリアリティが感じられずレプリカに見えます。晴れた土曜の昼時に、客は私の他に1人だけでした。もう一軒はさらに山深い場所にあり、クリエイターとライターの夫婦が暮らしながら営むカフェです。大きさは変わりませんが、投資額は数分の一でしょう。こちらは芸が細かく、都会的でありながら雪国の暮らしに想像を巡らせる真実味があります。昼時をかなり過ぎても客足は止まらず、市場の見る目は確かだと思います。