
今になっても書き足りない気持ちがあることは不思議です。書くことはパセリに話しかけることと同じなのかもしれません。統合医療の大家アンドリュー・ワイルは、「落ち込んだ時、ゴールデン・レトリバーが真剣な眼差しで話を聞いてくれて心が救われた」と書いていました。犬は人との共同作業のために選択繁殖され、その最大の特徴は人間の意図や視線を読む能力にあります。猟師が撃った水鳥を回収するために生まれたラブラドールはその能力が強い犬種です。真っすぐ目を見て話しを聞いてくれるパセリは最高の聞き手であり、何も隠さずに向き合える存在でした。隣に座り静かに目を見つめ、評価も遮ることもしません。書くことは犬に話しかける行為と似て感情に言葉を与えます。心の奥にあるものが言葉になる過程は、かつてパセリに話しかけたように、自分自身の感情を整理できる気がします。