ベストな妥協


昨日は長野県富士見町にあり、2023年に開業した小泊Fijiを見ました。建築家、藤森照信氏による最新作は、見学者必至のためかその所在地は公表されません。それでも小淵沢ICから車で8分、隣県の長野県富士見町にあり、背景に写り込む山の迫り方からおおよその場所は特定できます。ラコリーナ近江八幡を見たとき、昔から見慣れた藤森建築を初めて本音で良いと思えたように、この小泊Fijiも、日本的な田園風景と南アルプスに連なる山がほどよく迫るランドスケープに違和感なく溶け込みます。おそらくこの宮崎駿的な世界観の、風景の美しさがあったからこそ、設計依頼を受けた気がします。建築とは、本来は違和感があるはずの人工的な造形と、自然の景観がベストな妥協をすることにその使命があり、その原点は日本古来の伝統的な家屋だと思います。都市的な建築を礼賛した結果、自然を無視した醜い建築物が日本の景観を破壊してきた気がします。

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