


昨日は親戚が住職を務める寺がある瀬戸内海の小島に行きました。子供の頃は毎年夏に帰省ならぬ墓参に来ており、いわば心のふるさとです。故郷を持たない東京人にとっても、先祖が眠るこの土地は魂とつながる解放の場所です。凪いだ鏡のような瀬戸内海に、小島を背景に太陽が反射する美しさは、自分の帰るべき場所のように思えます。「旅とは新しい景色を探すことではなく、新しい目を持つことだ」というマルセル・プルーストの言葉が好きですが、故郷は、自分自身をより知ることができる場所かもしれません。世界の動きと離れることでしか、大切なものは見つからない気がします。寺から車で10分ほどの山の頂上には戦時の砲台跡があり、橋でつながる別の小島には今調べている石風呂の跡まであり、日本には知らないことがあふれていると感じます。人々が旅や移動を楽しむのは、帰り着く故郷があってこそでしょう。