実家暮らしの独身男性が経済的な自立により働かない「こどおじFIRE」が注目されます。実家暮らしや田舎暮らしにより生活コストを下げると、FIREは手の届くささやかな夢です。一方でFIREが必ずしも幸せに見えないのは、働いていた時ほどには自由時間が楽しめないからかもしれません。何をするにも気力が必要で、仕事の緊張感が途切れると、遊ぶ気力まで失われてしまう気がします。終身雇用で洗脳されてきた自分の世代にとって、会社という群れを離れることは死をイメージさせました。バブル期、就職氷河期、そして現在の複業時代と、社会に出た時代背景によって労働観は変わります。神から与えられた罰であり苦役としての労働の時代から、近代に入ると工場労働による人間疎外が起き、現代の労働観は多様で個別的です。しかし仕事や奉仕をしなくなると、社会に必要とされていない疎外感を受け、働かないことに耐えられる人は少数だと感じます。