巨匠か虚像か

世界的に名を知られる建築家の隈研吾氏の出世作、栃木県の馬頭広重美術館の改修が問題になっていると伝えられます。開業20年を過ぎた頃から木材の劣化が進み、改修費用の3億円を自治体は負担できないと言います。隈建築の特徴である木製ルーバーの造形については賛否がありますが、メジャーになり過ぎて見飽きてしまい、芸がない印象を受けます。アイデンティティを感じる反面オリジナリティがなく、AIや3Dプリンターの時代になるとその価値は低下するように思えます。地場産建材の使用が求められる公共施設とはいえ、長期修繕計画を十分に見込んでいないのであれば事態は深刻でしょう。安い予算でも仕事を受ける大量受注をこなす手法が、建物を木材で覆う「隈建築」ですが、世界的建築家・隈研吾の評価が定まるにはまだ時間がかかりそうです。

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