風流な生活


松茸が豊作だとされますが、それでも買える値段にはなりません。食品として健康や栄養の観点から見るなら、より高い効能を持つキノコがはるかに安価で売られます。その価格を正当化しているのは別の基準です。人工栽培が難しく、収穫量が自然条件に左右される松茸の希少性が、価格を押し上げます。そして独特の香りが秋という季節を象徴し、その体験を買う、ある種のイベント消費の側面もあります。しかし、最も大きな理由は、人が価格を品質の手掛かりにする性癖だと思います。商品の価値を自分で感じているのか、それとも周囲の評価に価値を感じているのかは、分けて考える必要があります。価値があるから高価なのか、高価だから価値があるのか。重要なのは価値を決める主体だと思うのです。秋の風情を味わうためだけにあの出費をするほどには風流な生活をしていないわが家では、今年も無縁でしょう。

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