
今年はめずらしく毎月海外に出ています。サラリーマンの頃は飛行機を利用する機会が多くラウンジを利用していましたが、今はそのステイタスからも外れ、寂しい気もします。他方で、現代的成功のささやかな象徴とも言えるエアラインのラウンジは、顧客ロイヤリィティを最大化するために設計された幻想にも見えます。承認欲求の受け皿としてのラグジュアリー装置の魔力を描いた、『マイレージ、マイライフ』は好きな映画です。主人公は常に旅を続け、極限まで身軽な人生という現代的な成功を体現しますが、映画は後半に入り問を反転させます。マイル・キャリア・お金という自由の象徴を獲得したものの、それは現実からの逃避だったという制作者の意図は示唆的です。今の自分は電源のあるカフェに入り、空港内を歩き回り店や人を観察しながら時間を過ごしますが、ラウンジでの優雅な時間よりも思い出に残る気がします。