
すっかり春めき花粉症が始まり、花粉症最盛期の3月は山に行くことができず、しばらく山から遠ざかります。山はどの季節に訪れても幸せな気持ちになりますが、春の山の記憶だけが欠落しています。山に行くにはたいした費用もかかりませんが、多くの人が陥る誤認は、価格が安いものは体験価値も低いということです。あらゆるものを貨幣で判断することに慣らされ続けた結果、われわれは外部の評価を内部の評価と取り違えるようになりました。価格が担保するものは社会的評価という他人との比較であって、必ずしも自身の内発的な価値が高まることはありません。そう言い切れるのは、山にいるときは無条件で幸せになれますが、お金のかかる豪華な食事や贅沢な暮らしは、時に虚しさを伴うからです。いつも思い出すのは「人の行く裏に道あり花の山」という株式投資の格言です。