生きる感覚を取り戻す旅


旅を「自己変容装置」ととらえる自分にとって、変化は旅の価値を決める指標です。エベレスト街道から戻り気づいたのは、ズボンのウエストに大きな余裕ができたことです。普段は1日、1、2食生活で、3食全食が提供されカトマンズ観光にまで連れて行ってくれる至れり尽くせりの旅行により太ることを懸念しましたが、毎日の運動量は食べる量を上回ったようです。せいぜい3,000mの山しか見たことがない日本人が、8,000m級の世界の屋根を見れば感動しますが、かといって人生が変わるほどのインパクトとも言えません。一番大きな影響を受けたのは、標高5,300m超のエベレストベースキャンプでの生活です。半分の空気しかない世界では「生存」が前景化します。浅い呼吸は死につながりますので、生命維持が仕事になり、排泄すらイベントです。生命維持装置につながれる都市生活で失った、「生きる」感覚を取り戻す旅だった気がします。

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