
数年前に開業した近所のインド料理店が閉店しました。評判の良い店でメディアに取り上げられることも多かったので意外です。街で見かけるインド料理店より値段が高く、今年に入って行こうと思って調べると、近所の商店街の店とは思えない価格に跳ね上がっていて、結局行く機会がありませんでした。街のインド料理店の狭いキッチンを見ると、厨房機器はそれほど高くない気もしますが、内装やFFEを加味したプロジェクト収支は赤字でしょう。飲食店の赤字率が高いのは、料理にこだわるほど原価率が上がり、顧客満足が高まるほど財務健全性を損なう矛盾にあります。長寿店は小さな改善を繰り返すものですが、この店の場合は地域密着立地にありながら、客層を大胆に絞るという危険な戦略変更が致命傷になった気がします。店の存続は評判ではなく、財務健全性で決まるというルールこそがこのビジネスの難しさかもしれません。